(メモ)HDMIについて知っておくとよいこと

テクノロジー

前回の記事に関連して。

ごろうさんの配信環境 Ver.2025
半年ぐらい前に、去年時点での配信環境の記事を書きました。その記事はSwitch2到来前で、以下の問題点を挙げていました。4K120FPS対応はしていない(オーディオインターフェースZG01が4K120FPSに対応していない)(キャプチャーボ...

今回の構成にする上で、以下の点を知っておくと、商品選びがラクになるかも!というお話です。

HDMI 2.1(ウルトラハイスピードケーブル)

HDMIには規格バージョンがあります。

今年版の配線にした目的として4K120FPS対応と言っていますが、これはHDMI 2.1というバージョンのことです。

HDMI 2.1では、4Kなら120FPS、8Kなら60FPSまで出せるようになります。
配線記事で「8K60FPS(=4K120FPS)」と書いてあるのは、規格上前者が成り立てば後者も成り立つからです。
市販品のパッケージでは「8K対応」と謳われていることが多いので、そちらを目印にしましょう。

その前のHDMI 2.0は、1440pなら120FPS、4Kなら60FPS対応です。
8Kは無理とのこと。(豆知識ですが、昔はHDMI 2.0ケーブルを4本使って送る想定があったんだそうです)
市販品で「4K対応」と書いてあったら、十中八九HDMI 2.0です。
4K対応しているが120FPSは出ないということです。

4K120FPS環境を作るなら、「4K対応」じゃなくて「8K対応」を目印に探してくださいね。

HDMI 2.0でも、1440pや1080p(フルHD)では120FPSが出ます。
4K対応モニターが無く、1440p以下の解像度でしかプレイできない環境であれば、HDMI 2.0対応製品(ケーブルでいうと「プレミアムハイスピード」)でも120FPSでゲームが楽しめます。
あくまで4Kモニターで120FPS出したい場合、HDMI 2.1が必要ですという話です。

去年使っていた、YAMAHA ZG01(と対抗のRoland BRIDGE CAST X)はいずれも4K対応です。
…つまり120FPSは出ません。ということです。

で、このポストで有名になりましたが…

ウルトラハイスピードHDMIケーブルって、だっさい名前よな!

HDMI 2.1対応のケーブル、つまり8K対応=4K120FPS対応のケーブルが「ウルトラハイスピード」です。
国際規格であるHDMIがそう決めています

HDMI 2.0対応のケーブル、つまり4K60FPS対応のケーブルが「プレミアムハイスピード」です。
その前のHDMI 1.3対応、つまり1080p対応のケーブルが「ハイスピード」です。
いずれも、国際規格であるHDMIがそう決めています

今回の構成図に出てきたすべてのHDMIケーブルはウルトラハイスピードケーブルで構成しています。
太いので取り回しにくいんですよね。

ちなみに現時点では「ウルトラハイスピード」の次として、HDMI 2.2対応の「Ultra96」が規格化されています。
同じ4Kや8Kでも映像が美麗になるほか、16Kまで出せます。要るのかそんなに?

…名前、そのうちスーパーウルトラエクストラなんとかになるのかと思ったら、ついに数字に逃げましたね。
96は帯域幅96Gbpsに由来します。(ウルトラハイスピードは48Gbps)

軽率に「USB 3.2」とか「USB 3.1 Gen2」とか好き勝手に色々呼ぶUSB(※好き勝手ではない)とは違い、HDMIは規格バージョン番号を商品宣伝に含めることを禁じています

そのため「8K対応」をキーワードに探しましょうとか、「ウルトラハイスピード」ケーブルを探しましょうとか、そういう変な話になっています。
「HDMI 2.1で揃えてね!」って言えたらどれほど楽だったか。

EDID

HDMIにはEDIDという機能があります。
これは見る側が一番いい映像を見られるようにする仕組みです。

EDIDはHDMI専用の規格ではなく、映像をやり取りするいろんな手段で使われます。
たとえば、DisplayPortでも使われています。

ここでは便宜上HDMIに絞って取り上げます。

HDMIケーブルをディスプレイと映像を出す機械につないだ際、
ディスプレイが「私こういう映像なら映せます」と宣言して、
映像を出す側が「じゃあその中で私が出せる一番キレイなやつで出しますね」と判断する仕組み。

ここで、HDMI分配器というものがあります。

配線記事で出てきた「切替器」は、どっちか片方しか出力できませんが、
分配器」ならその心配はなく、両方に同時に映像が出ます。

すばらしいですね。

ところが、この分配器に最大対応画質が違うモニターをつなぐと問題が起きます。

Switch2側からは、出力先の機械はただ1つ、HDMI分配器です。
なのでHDMI分配器に、出せる画質の一覧を質問します。

聞かれたHDMI分配器は、自分につながっているモニター全員に同様のアンケートをとります。

答えが返ってきます。

ここで、一番普通のHDMI分配器は、全員が出せる中でのベスト画質をSwitch2に返事します。

そうすると、「実はもっと出せるモニター」には、ちょっと役不足(本来の意味)です。
一番低スペックなモニターに合わせた画質になってしまうので。

普通じゃないHDMI分配器(または設定で変えられる分配器)は、見栄を張って答えることがあります。

そうすると、それに追いつけないディスプレイは死にます
※壊れるわけではなく、表示できないだけです

ちなみに「全員が出せるベスト」を出す場合も注意が必要で…
お互いのディスプレイでマッチする画質がない場合、想像以上に低画質になったり、最悪映像が一切出なかったりします。

最高画質ばかり見がちで、上の例みたいにハイスペックモニターなのに、フルHDで60FPSの表示ができない!みたいな残念な事態が発覚することがあります。(あまりないけどね)

なので、HDMI分配器を使う場合、接続する各端末の対応画質をしっかり確認しましょう。


ちなみに同じ話がキャプチャーボードでも起きます。

今年の構成になるきっかけである、ZG01だと4K120FPSができない問題も、実は同じです。

なお、EDIDの仕組みをめっちゃシンプルに説明しているのが、「Nintendo Switch 2 のひみつ展」のエリアF Nintendo Switch 2 ドックエリアの「TVに映像が出るまで」です。

持ってる人は読んでみてね!

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