前回の記事に関連して。

今回の構成にする上で、以下の点を知っておくと、商品選びがラクになるかも!というお話です。
HDMI 2.1(ウルトラハイスピードケーブル)
HDMIには規格バージョンがあります。
今年版の配線にした目的として4K120FPS対応と言っていますが、これはHDMI 2.1というバージョンのことです。
HDMI 2.1では、4Kなら120FPS、8Kなら60FPSまで出せるようになります。
配線記事で「8K60FPS(=4K120FPS)」と書いてあるのは、規格上前者が成り立てば後者も成り立つからです。
市販品のパッケージでは「8K対応」と謳われていることが多いので、そちらを目印にしましょう。
その前のHDMI 2.0は、1440pなら120FPS、4Kなら60FPS対応です。
8Kは無理とのこと。(豆知識ですが、昔はHDMI 2.0ケーブルを4本使って送る想定があったんだそうです)
市販品で「4K対応」と書いてあったら、十中八九HDMI 2.0です。
4K対応しているが120FPSは出ないということです。
4K120FPS環境を作るなら、「4K対応」じゃなくて「8K対応」を目印に探してくださいね。
去年使っていた、YAMAHA ZG01(と対抗のRoland BRIDGE CAST X)はいずれも4K対応です。
…つまり120FPSは出ません。ということです。
で、このポストで有名になりましたが…
ウルトラハイスピードHDMIケーブルって、だっさい名前よな!
HDMI 2.1対応のケーブル、つまり8K対応=4K120FPS対応のケーブルが「ウルトラハイスピード」です。
国際規格であるHDMIがそう決めています。
HDMI 2.0対応のケーブル、つまり4K60FPS対応のケーブルが「プレミアムハイスピード」です。
その前のHDMI 1.3対応、つまり1080p対応のケーブルが「ハイスピード」です。
いずれも、国際規格であるHDMIがそう決めています。
今回の構成図に出てきたすべてのHDMIケーブルはウルトラハイスピードケーブルで構成しています。
太いので取り回しにくいんですよね。
ちなみに現時点では「ウルトラハイスピード」の次として、HDMI 2.2対応の「Ultra96」が規格化されています。
同じ4Kや8Kでも映像が美麗になるほか、16Kまで出せます。要るのかそんなに?
…名前、そのうちスーパーウルトラエクストラなんとかになるのかと思ったら、ついに数字に逃げましたね。
96は帯域幅96Gbpsに由来します。(ウルトラハイスピードは48Gbps)
EDID
HDMIにはEDIDという機能があります。
これは見る側が一番いい映像を見られるようにする仕組みです。
HDMIケーブルをディスプレイと映像を出す機械につないだ際、
ディスプレイが「私こういう映像なら映せます」と宣言して、
映像を出す側が「じゃあその中で私が出せる一番キレイなやつで出しますね」と判断する仕組み。

ここで、HDMI分配器というものがあります。
配線記事で出てきた「切替器」は、どっちか片方しか出力できませんが、
「分配器」ならその心配はなく、両方に同時に映像が出ます。
すばらしいですね。

ところが、この分配器に最大対応画質が違うモニターをつなぐと問題が起きます。
Switch2側からは、出力先の機械はただ1つ、HDMI分配器です。
なのでHDMI分配器に、出せる画質の一覧を質問します。
聞かれたHDMI分配器は、自分につながっているモニター全員に同様のアンケートをとります。

答えが返ってきます。

ここで、一番普通のHDMI分配器は、全員が出せる中でのベスト画質をSwitch2に返事します。
そうすると、「実はもっと出せるモニター」には、ちょっと役不足(本来の意味)です。
一番低スペックなモニターに合わせた画質になってしまうので。

普通じゃないHDMI分配器(または設定で変えられる分配器)は、見栄を張って答えることがあります。
そうすると、それに追いつけないディスプレイは死にます。
※壊れるわけではなく、表示できないだけです

ちなみに「全員が出せるベスト」を出す場合も注意が必要で…
お互いのディスプレイでマッチする画質がない場合、想像以上に低画質になったり、最悪映像が一切出なかったりします。

最高画質ばかり見がちで、上の例みたいにハイスペックモニターなのに、フルHDで60FPSの表示ができない!みたいな残念な事態が発覚することがあります。(あまりないけどね)
なので、HDMI分配器を使う場合、接続する各端末の対応画質をしっかり確認しましょう。
ちなみに同じ話がキャプチャーボードでも起きます。

今年の構成になるきっかけである、ZG01だと4K120FPSができない問題も、実は同じです。

なお、EDIDの仕組みをめっちゃシンプルに説明しているのが、「Nintendo Switch 2 のひみつ展」のエリアF Nintendo Switch 2 ドックエリアの「TVに映像が出るまで」です。

持ってる人は読んでみてね!

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